ソーシャルメディアはユーザー心理で区別される
この4月から沖電気内で、金曜日には会議室を一室開放して、業務から離れた勉強、試行作業、勉強会や交流に使ってもらえるようにしよう、というOKIサロンという試みを始めています。その中で時々、社内外の人にセミナーやプレゼンをお願いするのですが、昨日はマイネット・ジャパンの方にイントラnewsingの説明をしていただきました。
ソーシャルニュースはソーシャルブックマークの一種、あるいは1カテゴリとみなされることも多く、例えば海外ではdigg、国内ではnewsingなどが、ソーシャルブックマークとして紹介されることがあります。ただ、私の感覚では一緒にならない。例えば今日行く場所の地図画像をブックマークすることなどが良くあるのですが、これはnewsingには投げにくい。
この心理的な違いがSBSとソーシャルニュースを分けるのだ、とは、説明に来てくださった綱島さんが過去にインタビューで答えておられます。
―ソーシャルニュースとソーシャルブックマークの違いは何ですか?
機能上の違いはいろいろあると思いますが、ユーザー心理が大きく異なると考えています。
ソーシャルブックマークはユーザーが自分自身の整理のために利用するものと捕らえています。ブラウザのブックマークの代替です。一方で、ソーシャルニュースはユーザーがみんなのためにニュースをピックアップします。自分がピックアップしたニュースへの反応が見たい、自分が一番にニュースをピックアップしたい、という気持ちで利用するのです。
この心理は私にもあるので、非常に共感できます。ただ、その上でブックマークとニュースを統合してくれれば良いのに、という機能的な不満があって、昨日は聞いてみました。
―イントラnewsingには、記事に○×はつけずに、とりあえずメモするための「クリップ」機能があります。これは未投稿のインターネット上の記事を「クリップ」できますか?
できません。
―私は個人的なブックマーク数が日に50件程度あり、うち10件ほどは紹介しようかと思うのですが、同じような投稿作業の繰り返しが億劫で投稿せずにいます。まずクリップして、それからニュースに投稿できると良いと思うのですが。
この点は、newsingの開発の際にも内部で議論になりました。機能としては、簡単に実現できます。しかし、そうした形でクリップできてしまうと、クリップして満足して、投稿に進まなくなることも多いのではとの懸念が挙がりました。議論の末、できるだけ多くのニュースを投稿、共有してもらうために、現在の形に落ち着きました。
もちろん、導入企業によって風土はまちまちですので、イントラnewsingの導入にあたってはそうしたカスタマイズにも対応します。
ソーシャルニュースを含めたWeb 2.0的なツールの多くは、利用者の自発的な参加を求める、そのための「快適さ」「快感」を設計思想の中心においているように思います。これは、業務フローとして必要とされるための「機能」「効率」を設計思想の中心におき、業務フローの中で全員に利用させることが前提の、これまでの企業内システムと大きく異なります。
Wikiについても、Web 2.0を企業システムにと考えておられる方からは、よく「blogとどんな機能が違うんですか」と聞かれます。「Wiki概念の多様性」で指摘されている通り、実際の機能の差異はそれほどなく、Wikiアプリケーションをblogのように使うことも、blogアプリケーションをWikiのように使うこともできてしまいます。例えば、Walrus, Visit.はWikiアプリケーションを使っていますが、長い間私の日記サイトでした。
ソーシャルメディアはユーザー心理で区別されるものです。機能の差別化ではなく、ユーザー体験と、そこから自然に促進されるユーザー行動と、そこから形成されるユーザー特性を差別化します。こうした思想の違いを、うまく説明することは、大きな課題だと思います。