FLATNESSES:Enterprise 2.0のコンセプト
Web 2.0コンサルタントDion HinchcliffeによるEnterprise 2.0の2007年の修正コンセプトを、彼のZDNet.comブログのエントリ「The state of Enterprise 2.0 | Enterprise Web 2.0 | ZDNet.com」で見つけた。2007年11月とかなり前の話だが、ググってみても日本語でSLATESを説明している記事などは見つかるが、FLATNESSESを取り上げているものは見つからなかったので紹介しておく。
本文中にあるように、Andrew McAffeeがEnterprise 2.0を提唱した際の論文「Enterprise 2.0: The Dawn of Emergent Collaboration」で、彼は「知的労働者の行動とアウトプットを可視化するためのプラットフォーム」をEnterprise 2.0と命名し、このプラットフォームが担うべき機能として、SLATESというコンセプトを掲げた。これは以下の頭文字をつなげたものだ。
- Search(検索)
- Link(リンク)
- Authoring(文書化、発表)
- Tagging(タグ付け、分類)
- Extensions(拡張、たとえばリコメンドなどを介してによって他者の思考や活動を刺激する)
- Signals(通知、RSSフィードなど)
私が「Enterprise 2.0 : 社内Wikiの目的」に入れた図は、これが機能する一連の流れの、一パターンを想定したものだ。2007年8月のプレゼンを聞いてくれた人は、この図の隠れているオレンジの丸にSLATESの各単語があったことを覚えているかも知れない。2007年11月のHinchcliffeのブログエントリでは、この6つ(※)に以下の4つを追加して、FLATNESSESという改定案にまとめられている。
- Freeform(非定形)
- Network-oriented(ネットワーク指向、ウェブベースであることと、再利用可能でアドレス(URLなど)で指し示せる小片指向であることの2つを指す)
- Social(ソーシャル、非階層的で透明性の高いもの)
- Emergence(創発)
非定形であることについては、グループウェアとのすみわけを考える上で、常に意識にあった。ツールとしてのウィキ(しばしば一人ウィキ)を使う理由は、しばしばここにある。グループウェアのようなWell-formedなツールにそぐわない情報の受け皿、あるいはWell-formedなツールを作るためのプロトタイピングとして、ウィキは有用だ。創発は、最近のこうした分野の話ではしばしば取り上げられる注目の話題でもある。Network-orientedであることの必要性はウェブユーザの多くは自然に頷けるだろうし、Socialとあわせて「言わずもがなだけど、あえて指摘するのも悪くない」と思う。
つまり、私個人としては、総じて「SLATES」の修正版である「FLATNESSES」をEnterprise 2.0のコンセプトとして受け入れるのに異論はない。ただ会話中に時々、SLATESですら各要素が何だったかを思い出せなくて困る(特にExtension)。FLATNESSESとなると、そんなことがますます増えそうなのは心配だ。
※AuthoringがAuthorshipと改められているが、ここでは同等のものとみなした。