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Oracle社がメモリ上にデータ保持するDBMS「TimesTen」の、買収後初の新版をリリースしたとのこと。
7日、日本オラクルは「Oracle TimesTen In-Memory Database 7」を発表した。米国において14日発表され、国内でも出荷・販売が決定したもの。
価格は「Oracle TimesTen In-Memory Database」がデータストアサイズ(※1)2GB以下の場合、プロセッサ(※2)あたり1,500,000円から。オプション製品も同じくデータストアサイズ2GB以下、プロセッサあたりの価格体系で販売され、「Replication - TimesTen to TimesTen」が750,000円から、「Cache Connect to Oracle」が750,000円から。4月3日より出荷が開始される
今回のTimesTen 7はOracleが2005年にTimesTenを買収して以降、初のメジャーアップデートとなる。Oracle Databaseとの連携・互換性が強化され、ほかのオラクル製品と同様にライフタイム・サポートも提供されるようになる。
個人的に興味を覚えるのは、Oracleベースの既存システムに、Oracle TimesTenをどう活用できるかと言うこと。まさしく、以下の部分です。
同社ではTimesTenをOracleアーキテクチャを補完し、"Real-Time Enterprise"を完成させるものとして位置づける。
つまり、Oracleのデータベース・ミドルウェアなどを使用する環境で、これらと密接に連携をとりながらアプリケーションを高速化、監視もEnterprise Managerを使い一元的に行うことができるというわけだ。具体的には、CRMアプリケーションにおいてアクティブな顧客のデータをTimesTenに、アクティブでない顧客情報はOracle Databseに蓄積することで、Oracle Databaseの分析など高度な機能を使いながら、アプリケーションの高速な応答を実現する、といったことができる。
以前に、MRP(スケジューリングやMES的な計算を含む)の実行時間が夜間6時間で終わらなくなる、というようなケースを見たことがあります。OLTPの他にも、こうした巨大なDB入出力処理が発生してディスクアクセス時間がボトルネックになるような場面でも、イン・メモリデータベースはおそらく有効でしょう。
外部アプリケーションで、イン・メモリでこうした計算をするというソリューションはあるのですが、この場合ディスクからのデータの書き出し、書き戻しが同じようにボトルネックになったりします。記事だけを読んでいると「主要アクセス先はTimesTen、TimesTenのキャッシュストアとしてOracle」という構成が前提のようですが、もし透過的にOracleとTimesTenのデータにアクセスでき、Sync状況に応じて自動的にTimesTenからOracleへアクセス先が切り替わるような使いからができれば、こうしたものも不要になります。
こうした利用ができるのかが、よく分からないのですが、とりあえず現時点で情報源としたTimesTen関連のページをいくつかメモしておきます。
茅野市が小中学校の情報端末をシン・クライアント化し、同時に自宅からのセキュアなアクセス環境を整えるとのこと。
個人情報漏えい防止のため、長野県茅野市が新年度から、本体に情報を保存できないパソコンを小・中学校全教職員に配備することを決めた。
ところが、子育て中や要介護家族を持つ教諭らが「自宅で仕事ができないと困る」と反発。市は、自宅の私有パソコンからもアクセスできるシステムも導入することになった。
茅野市がPC「自宅残業」容認…サーバーで情報管理 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
元の記事がちょっと理解しにくい、というか誤読しやすいのだけど、要点としては次のようなところ。
- 小中学校の教職員が職場(学校内)で使う端末はシン・クライアント化し、情報をサーバで一元管理する。
- シン・クライアントは全教職員に配布し、あわせて私有パソコンの持込を全面禁止する。
- 個別ケース(育児、介護)で自宅で仕事をせざるを得ないケースがあり、これを考慮して自宅PCからもサーバへのアクセスを可能にする。
システム化費用は、以下の通り。
07年度一般会計当初予算案に導入費用として1500万円を計上した。(略)対応パソコンのリースを含むシステム導入は6年契約で、総費用は1億4200万円。
信濃毎日新聞[信毎web] 茅野市が小中学校に情報漏えい防止のシステム構築
また、労使の観点からすれば「自宅残業容認」にもなる。この点について、「労」の長野県教職員組合諏訪支部茅野単組は「自宅で仕事ができないと学期末などは深夜まで帰れない。現場としてはありがたい」とし、「使」の市教委や矢崎和広市長は「仕事は学校で済ませるのが前提。(自宅での)残業を奨励するわけではない」とのこと。
この自宅からのサーバアクセスについては、次のようになるようです。
個人のパソコンでも記録保存や印刷はできない構造で、認証技術と暗号化通信技術によって情報漏えいを防ぐ。
信濃毎日新聞[信毎web] 茅野市が小中学校に情報漏えい防止のシステム構築
市教委は「業務は校内で完結するのが基本」として、自宅などからのアクセスには、月1000円程度の利用料を求める。
児童生徒の情報一括管理 茅野市が全教職員にパソコン配備:中日新聞
つまり「原則はあくまで原則どおり」「生活事情・実情に配慮はする」「このための追加セキュリティ費用などは、利用者負担」ということ。業務時間内に終わらない業務量があること自体がどうか、それに関して費用負担がどうかという問題はありますが、セキュリティ強化、そこで失われる利便性の評価といった進め方のバランスは評価されて良いと思います。
ところで、記事中には次のような発言があります。
牛山英彦教育長は「ほとんどの教職員が個人パソコンを使用しているのが現状。管理の徹底を基本にしないと、事故は続く。新たな態勢を機に、公私を区別する先生の意識改革も進めたい」と話した。
児童生徒の情報一括管理 茅野市が全教職員にパソコン配備:中日新聞
システム化の大前提に「公私を区別」があるのですが、そうはいっても原則だけで押せば公私のどちらかが破綻するケースがある、というのが全体的な観点のようです。これで思い出したのは、以前に読んだ「Round-Edge」の「『オン』でも遊び、『オフ』でも仕事」という言葉でした。
この言葉は、同書がオールラウンドedgyistと命名する層からの発言として紹介していました。旧来の「24時間のうち10時間は勤務・通勤、8時間はプライベート、6時間は休養」というスタイルでは「システム的にも公私を分ける」という形態が通用しますが、こうした層の「24時間のうち10時間は仕事ベースの時間カクテル、8時間は遊びベースの時間カクテル」というスタイルには適用が困難です。
例えばこうした層の営業職は、仕事での関係者と業務後の付合いもし、友人ともいい仕事ができると思えば仕事の話を持ちかけるでしょう。こうした層のハッカーは遊んでいるときに仕事の、仕事中に趣味のプラグラム・コードの進め方を思いつき、例えば自宅で入浴中に仕事での問題点の解法を閃いて「エウレカ!」とさけびつつ裸のままパソコンの前に駆けて行くでしょう。会社まで駆けられると、いろいろと問題です。そもそも駆けださない?そう?
こうしたスタイルの人も、実は同様な配慮がないと特徴を仕事に活かせない人になります。そして、彼らの成果を必要とするか否かは、その仕事が組織力で戦う仕事なのか、個人力で(個人力でも)戦う仕事なのかによると思います。業種でいえば...というと、実はそこがおそらく変わりつつある只中で、同じくオールラウンドedgyistの言葉を引用すれば、次のような傾向が見られる業種がすべて、ということになります。
デザインを例にとっていうと、職人が注文制で個別に意匠をつける、というのが19世紀までのモノのつくり方だったとしたら、便利でより安いものをより美しくつくる、というデザインの思想は、まさに、20世紀の大量生産、大量消費の賜物。(略)では全部が満たされた時に次なる時代は?というと、もう一回、意匠の考え方に立ち返るのではないでしょうか。
ラウンドエッジ Round-Edge p.24
組織力のハンマーのような打撃力が要るのか、個人力のedgeの立った切れ味が要るのか。セキュリティ強化が、組織が取り込んだedgyistを矯めることがないか、矯めても問題はないか、矯めるの回避する方策はないか。教職のような、業務量の変動が大きい職種のほかに、こうした個人力、edgeの鋭さが問われる業種でも、セキュリティ導入時のバランス感覚は問われると思います。
mixiが上場後初の中間決算を行いました。INTERNET Watchが報じたところによれば、売上は約19.4億で内訳はFindJobが約6.6億、mixiが約12.8億(広告売上11.2億、会員料金売上1.6億)、当期純利益が4.4億とのことです。
事業別の売上高は、SNS「mixi」が含まれるインターネットメディア事業が12億8,198万4,000円、インターネット求人広告事業が6億6,595万円だった。インターネットメディア事業のうち、広告売上が11億2,055万9,000円、プレミアム会員料金の売上が1億6,142万5,000円となっている。
ミクシィの中間決算は売上19億4,700万円、すでに前年通期の売上を超える - INTERNET Watch
mixiの収益源は、広告主が無料ツールの利用者に対して広告を打つ広告費と、ユーザーがより利便性の高いツールに支払う利用料になります。この報道で最も衝撃的に感じたのは、広告費と利用料に9倍近い開きがあることでした。
チープ革命は広告費モデルに単一サイトでのマス・アプローチ効果を、利用料モデルにコストレス運用・拡張による薄利多売効果をもたらしていて、ツール好きとしては薄利多売効果に期待をかけたいところです。mixiの決算内容は、600万人のマーケットを抱えるmixiでも、圧倒的に薄利多売の利用料モデルより、マス・アプローチの広告費モデルが効いているのか、と実感させるものでした。
mixi社の会社概要によれば従業員数は契約社員等を含めて101名。社員数10名、20名といった会社が多いWebサービスの分野で、比較的大所帯の感がありますが、その規模を支えるビジネス・ボリュームの確保にはやはり広告費モデルなのかという思いを持ちます。このことは、リアルコムの吉田健一氏が、GoogleがJotSpotを買収した件に関連して、ブログで指摘されています。
ブログのソフトウェアを開発しているSix Apartやドリコムが急成長している。しかし、その多くはIT予算ではなくマーケティング予算で購入されている。すなわち、企業のマーケティング活動として、顧客向けインターネットサイトにブログを活用しているのだ。
Jotspotを使っていた企業は、今後はIT予算を一切かけずに、無料で同じソフトウェアを使うことができるようになる。その一方でGoogleは広告主のマーケティング予算からAdwords広告料をもらう。IT予算からマーケ予算へのシフトが進んでいくのは、逃れられない大きな流れである。
ZDNet Japan Blog - 「エンタープライズ2.0」への道しるべ:Web2.0に買収されるEnterprise2.0
私にとって気になるのは、IT予算で作られてきたイントラネット、特にツール(ワークフローなどを含む)がどうなるかです。先日、野村総合研究所(NRI)は先日、企業内ブログ/SNSの整備が急務であり、末端レベルでコンシューマ向けの外部サービスが不用意に使われることがセキュリティ・リスクになっているとの指摘をしています。
「コンシューマ市場で成功しているブログ/SNSを真似て器だけを企業に導入しても失敗する」(嶋本正常務執行役員)と指摘。効果を得るための三つの条件を列挙した。
こうした分析の一方でNRIは,セキュリティ面から企業内ブログ/SNSの整備が急務であるとする。例えばコンシューマ向けのブログ/SNSが浸透するにつれ,同期入社の従業員同士のコミュニケーションに外部SNSを利用したり,Webブラウザのブックマークを共有するソーシャル・ブックマークを公開設定のまま利用したりといったことが起こりかねず,「情報漏えいのリスクが生じる」(亀津氏)という。
「今のSNSをそのまま持ち込んでは失敗する」--NRIが企業でのブログ/SNS活用を分析:ITpro
ポジティブな面からは、こうした新しいツール群が企業活動を活発に、効率的にするという期待があります。もう一方には、こうしたツール群を自然に使う世代が、企業活動でもこうしたツールを必要として(イントラネットにないので)何気なく外部サービスを使用した時に、そこがセキュリティ・リスクになるという面があります。
いわゆる2.0世代でなくても、Yahooメールや宅ふぁいる便といったサービスを使った、あるいは使われるのを見たことがある人は多いでしょう。つまりこれまでにもあった問題なのですが、2.0世代が使うツールは、こうした本来的に1対1で使われるものだけではなく、SNS、SBS、Blogといった本来的にオープン、ブロードキャストで使われるものが含まれてきます。不用意に外部サービスが使われたときのリスクはずっと大きくなります。
こうしたポジティブ、ネガティブ両面からの流れを受け、マーケティング・ツールに続いてイントラネット・ツールとしてWeb2.0テクノロジーを取り込む時が来ます。その時に、その財源がどうなるのか、そのテクノロジーを買うのは利用する企業自身なのか、やはり広告主たる別の企業なのかという点は、非常に興味をひきます。
- イントラネット・ツールも、広告モデルで無償提供される外部サービスを許容するのか?
- その時に、内部データをどこまで外部サービスに預けられるか。
- その時に、Googleなどのオープンなサービス・プロバイダと、従来からのアウトソーシングなどのクローズドなサービス・プロバイダは区別されるのか。
- その時に、Googleなどのオープンなサービス・プロバイダとの関係、契約はどうなるのか。
- 逆にIT予算を確保してイントラネット・ツールを作ることは、今後も可能なのか。
- 転換は、いつごろ起こるのか。ITツール提供、SIのビジネス・ロードマップはどうすればよいのか。
Web2.0は、単純にイントラネット・ツールもWebサービスで置き換えるというものではなく、過去の企業情報統合などのムーブメントと同じように、大きくITの考え方を揺さぶっているものなのだと思います。どんな結論が出るのか、どんな傾向になるのか、実際にIT予算をターゲットにしたビジネスにぶら下がっている身としてはとても気になります。
かつてのPeople Softの創業者と幹部が、SaaSのERP市場に参入。
米Workdayは米国時間11月6日,オンデマンドERP製品「Workday Enterprise Business Services」を発表した。Workdayは米PeopleSoft(米Oracleが2005年に敵対買収)の創設者であるDave Duffield氏と元同社幹部のAneel Bhusri氏が2005年3月に共同で設立した企業。
PeopleSoft創設者が設立したWorkday,オンデマンドERP製品を発表:ITpro
買収を機会にPeopleSoftの経営を離れたDuffield氏は翌2005年春にWorkdayを設立、そこから1年半あまりをかけて静かに新サービスの立ち上げ準備を進めていた。最初のERPスイートがHRMとなったのは、HRMを主力製品として成長を続けてきたPeopleSoftを長年率いてきたDuffield氏らしい選択だが、今回の新製品は従来の実アプリケーションベースのERP製品とは異なり、インターネット経由でアプリケーションを提供するオンデマンドERMである。
PeopleSoft創業者、新会社「Workday」でオンデマンドERP市場に参入 (MYCOMジャーナル)
既に米BiositeなどがWorkday製品の採用を決定しており、5企業との契約を完了したという。またWorkdayでは、パートナー企業として米Microsoftや米Accenture、米ADPなどとの提携も併せて発表。
ITmedia エンタープライズ:PeopleSoft創業者、Oracle対抗の新会社を設立
PeopleSoftは元々、人事系を強みとしていたERPパッケージメーカーで、2003年には生産系を強みとしていたJ.D.Edwardsを買収、ERP分野でOracleを抜くが、2004年から2005年のOracle社による敵対的買収により吸収されています。Web育ちではなく古参のERPメーカの血筋ということになり、人事系やCRMにとどまらず、生産系や調達系などを含めたトータルなSaaS ERPサービス提供者になりそうに思えます。
このニュースで思い出したのは、2004年のJan BaanによるCordys立上げです。
Jan BaanはかつてビジネスソフトウェアメーカーのBaanを成功に導いたことで最もよく知られているが、その同氏が新たにWebサービスに関心を移し、Cordysという新会社を立ち上げた。
老舗ERPソフトメーカーの創業者、Webサービスに新天地 - CNET Japan
このCordys社はSOA技術をコアとする企業です。ちょっと検索してみると、海外のあるブログエントリで、「WebExがSalesforce上で動作するAppExchangeとしてリリースしたWebEx Connectは、BMC、Business Objects、Genius、MindJet、NetSuite、SoonR、SugarCRM、そしてZohoとIMやWeb会議、ドキュメント共有などを結びつけるコラボレーション&ワークフロー・エンジンであり、Cordysの技術に基づいたものである。詳細はOffice 2.0 Conferenceで」と最近のニュースが紹介されていました。
かつてはウォール街のお気に入りで、ライバルメーカーのSAPやPeopleSoftと互角に争っていたBaanだが、エンタープライズソフトウェアの市場が縮小の一途をたどった2年間のあいだに、一時は80億ドルを越えていた時価総額がおよそ5億3000万ドルまで急落した。
老舗ERPソフトメーカーの創業者、Webサービスに新天地 - CNET Japan
栄枯盛衰、だけどERPでのキャリアを終えた彼らが、「ビジネスの成功者が次の新しいビジネスの芽を育てる」地として次々にSOA、SaaSといったSI on Webを選び、あるいは成功しあるいは成功しつつあることには、非常に興味をひかれます。